底地権の売買のメリット・デメリットと5つの売却方法を徹底解説!

投稿日:2024年9月18日

「土地の売買をしたいけど、底地権って何?」
「どんな方法で底地を売買すればいいんだろう?」

このように考えていませんか。

底地権の売買を行うためには、正しい知識が必要です。

このページでは、底地権の意味や底地売買のメリット・デメリット、売却方法について、プロが分かりやすくご案内します。

この記事の作成者

融資部 部長
浜崎 雷Rai Hamazaki

【資格】管理業務主任者、宅地建物取引士
お客様の大切な所有不動産の評価を最大限に、ゆとりある生活のサポートをさせていただきます。「お客様の明日のために、今日、自分は何ができるか」を考え、日々奮闘しています。

底地とは?所有権や借地権との違いを解説

  • 底地権・借地権・完全所有権の違い
権利 権利の持ち主 権利の内容
底地権 地主 土地を所有する権利
借地権 借地人 土地に建物を建てて使用する権利
完全所有権 地主 土地の所有・使用の両方が可能な権利

底地権と借地権、完全所有権の違いはこの通りです。

詳しくご案内しますね。

底地は「他者に貸している土地」

底地権とは、土地を所有する権利のことです。

底地とは、次の土地のことです。

  • 借地権が設定された土地
  • 地主が借地人に貸している土地

借地人には借地権があります。

そのため、底地には次のデメリットがあります

  • 地主が自由に土地を利用できない
  • 契約解除には同意が必要

なお、次のような「建物を所有する目的以外で貸している土地」は、底地ではなく、更地(さらち)です。

  • 駐車場
  • 資材置き場
  • 看板の設置場所

借地権は「土地を借りて建物を建てる権利」

この権利は借地借家法で30年以上の存続期間と定められています。

地主が一方的に契約解除することはできません。

借地人には所有権が無いため、売却するには地主の承諾が必要です。

完全所有権は「土地の使用・売却・処分を自由にできる権利」

ここまでにご案内した底地権と借地権の両方を持っているというイメージです。

完全所有権があれば、地主は自由に売却したり、活用したりできます。

底地権の売買「3つのメリット」

それぞれ詳しくご案内しますね。

【メリット①】税金の負担から解放される

底地には次の税金が課されます。

  • 固定資産税…土地や家屋、償却資産といった固定資産を所有している人が納める税金
  • 都市計画税…都市計画事業や土地区画事業の費用のための市町村税

売却すれば支払う必要が無くなります。

納税資金は、一般的に借地人から支払われる地代でまかなっています。

【メリット②】相続人への引き継ぎを避けられる

底地を売却すれば、相続財産として引き継ぐ必要が無くなります。

そのため、相続人は次のリスクを回避できます。

  • 赤字の底地を相続するリスク
  • 相続税を課されるリスク
  • 相続トラブルのリスク

土地価格が上昇すると税金も上がります。

税金で赤字になっても、地代の引き上げは借地人との交渉が必要なため、簡単ではありません。

底地を複数人で共有している場合、権利関係が複雑なため、話がまとまらず、時にはトラブルに発展することがあります。

売却すればこうしたトラブルを避けられます。

【メリット③】借地人との関係から解放される

底地を売れば、地主として借地人とのやりとりが必要なくなります。

借地人との間には、次のようなことでトラブルになることがあります。

  • 借地人が契約の更新料を支払わない
  • 借地人が地代を滞納している
  • 地代の値上げ交渉が上手くいかない

特に相続した底地の場合、借地人と面識が無いことが多く、トラブルになりやすいです。

売却すればこうした面倒ごとが無くなります。

底地権の売買「6つのデメリット」

それぞれ詳しくご案内しますね。

【デメリット①】土地の活用が自由にできない

理由は、土地を使用する権利を借地人が持っているからです。

そのため、底地を購入しても建物を建てることはできません。

更地などと比較すると買い手が見つかりにくいです。

【デメリット②】収益性が低い

理由は、底地の地代は安く、税金と土地の管理費は上がることがあるからです。

地代の値上げは勝手にできません。

借地借家法で定められた条件に該当する必要があるからです。

【デメリット③】金融機関からの融資・ローンを受けにくい

理由は、底地の担保評価が低いからです。

担保評価とは、融資の返済が滞ったとき、金融機関が不動産を売って資金を回収可能だと見込む金額のことです。

底地は収益性が低く、使用が制限されています。

そのため、金融機関は担保価値が低いと判断し、融資に対して消極的です。

【デメリット④】借地人とのトラブルが起きやすい

理由は、金銭や住まいに関する話し合いであるからです。

よくあるトラブル例は次の通りです。

  • 地代の値上げ交渉に借地人が応じない
  • 地代を借地人が滞納する
  • 契約更新料の支払いを借地人が拒否する
  • 建て替えや増改築を借地人が無断で行う

例えば、土地の価格が上昇して、今の地代では赤字になる場合、地主は借地人と値上げ交渉をします。

ですが、借地人は地代の値上げに反対します。

話し合いがまとまらず、感情的に対立したり、裁判に発展したりするケースはよくあります。

【デメリット⑤】納付義務が発生する場合がある

底地を売って利益を得た場合は、譲渡所得税を納税する必要があります。

譲渡所得税は次の計算式で算出されます。

譲渡所得税の計算式

譲渡所得税=譲渡所得×税率
譲渡所得=不動産の売却価格-(取得費+譲渡費用)

  • 取得費…底地購入時にかかった費用
  • 譲渡費用…底地売却時にかかった費用(立退料、取壊し代なども含む)

税率は、不動産の所有期間で変わります。

  • 不動産の所有期間と税率
所有期間 所得税 住民税
5年以上 15% 5%
5年以下 30% 9%

参考)国税庁「土地や建物を売ったとき

このあたりは税理士に確認してください。

【デメリット⑥】費用がかかる

理由は、仲介業者の利用や売買契約書に印紙が必要だからです。

底地の売買にかかる費用は次の通りです。

  • 仲介手数料
  • 印紙税

仲介手数料は、不動産業者を利用して底地権を売る際に支払う費用です。

印紙税は底地の売却金額に応じて変わります。

底地の売却価格が1,000万円の場合

仲介手数料は40万円ほどで、印紙代は1万円です。

スムーズに底地権を売買する3つのポイント

それぞれ詳しくご案内しますね。

【ポイント①】借地人に事前告知をする

理由は、底地権売買の事前告知をすることで、借地人の不安や疑問を解決できるからです。

事前告知は義務ではありません。

ですが、地主と借地人はトラブルに発展しやすいです。

スムーズに権利関係を移行できるように、事前に売買について告知しておいてください。

【ポイント②】共有者の同意を得るの有無がポイント

底地が共有名義の場合、複数の共有者がいます。

この場合、1人の共有者が、自分の意思だけで底地の全て(100%)を売ることはできません。

ただし、自分の持分だけなら、自分の判断で売却できます。

共有者が3人いる底地を売却するケース

A、B、Cの3人で底地を1/3ずつ所有していたとします。

底地全体の売却にはA、B、C全員の同意が必要なため、Aが一人で底地全てを売ることはできません。

ただし、Aが持分の1/3だけを売却することはできます。

【ポイント③】底地売買に精通した業者を選択する

理由は、底地の売買には専門的なノウハウが必要だからです。

底地は収益性が低く、借地人との顕在的・潜在的なトラブルがあるため、一般的な不動産会社や投資家は購入しません。

底地売買に精通した業者を探すとスムーズです。

選ぶポイントは次の通りです。

  • 底地買取実績が豊富にある
  • 査定額の根拠が明確にある
  • 売却にかかる諸費用を無料にしている
  • 士業と連携している

底地権を売買する5つの方法

それぞれ詳しくご案内しますね。

【方法①】借地人に底地権を売却する

借地人に売却する場合は、土地の市場価格の5割程度の価格が期待できます。

できるだけ高く底地を売りたい場合はこの方法をご検討ください。

借地人にとってのメリットは、次の通りです。

  • 完全所有権を得られる
  • 地代の支払いが無くなる
  • 土地を自由に活用できる

借地人との関係が良好なら、相談してみてください。

【方法②】底地の買取業者に売却する

底地をスムーズに、スピーディに手放すことができます。

借地人と交渉する必要がありません。

ただし、この場合の売却価格の目安は、土地の市場価格の1割から2割程度です。

【方法③】完全所有権にして売却する

完全所有権にすることができれば、市場価格で売却できます。

底地と借地権を等価交換することで、土地の完全所有権を地主と借地人で分けます。

借地権割合を元に、地主が6割、借地人が4割で分配することが多いです。

借地人との関係が良好なら、相談してみてください。

ただし、建物が立っている土地を分配できないため、広い土地の場合だけしかできません。

【方法④】底地と借地を同時に売却する

この方法なら市場価格で売却できます。

土地の購入者は完全所有権を手に入れられるからです。

分配の割合は地主4、借地人6です。

借地人との関係が良好なら、相談してみてください。

【方法⑤】底地権だけを売却する

底地権のみ第三者に売る場合、市場価格の1割程度が相場です。

ただ、実際には「底地だけを購入したい」と考えている買い手を見つけるのは難しいです。

次のようなデメリットがあるからです。

  • 土地を使用する権利が無い
  • 契約解除をして借地権を外すのは難しい

【底地権の売却先別】売買金額の相場と計算方法

売却先ごとに、底地権の売買金額の相場と計算方法をご案内しますね。

【売却先①】借地人の場合

この場合の相場は、土地の市場価格の5割程です。

計算方法は次の通りです。

土地の市場価格が2,000万円の場合

2,000万円×0.5=1,000万円

価格は土地の市場価格や借地人との交渉によって変動します。

借地人との関係がスムーズな場合、相談してみてください。

【売却先②】専門買取業者の場合

この場合の相場は、土地の市場価格の1割から2割程度です。

計算方法は次の通りです。

土地の市場価格が2,000万円の場合
  • 2,000万円×0.1=200万円
  • 2,000万円×0.2=400万円

専門業者ならスムーズでスピーディです。

ただ、借地人に売却するよりも安いです。

【売却先③】第三者の場合

この場合の相場は、土地の市場価格の1割程です。

計算方法は次の通りです。

土地の市場価格が2,000万円だった場合の計算方法

2,000万円×0.1=200万円

なかなか買い手が現れず、価格が安いので、他の方法をご検討ください。

底地権売買のまとめ

底地権利の売買について、メリット・デメリットと5つの売却方法をご案内しました。

底地権の売買にはポイントが3つあります。スムーズな売却にお役立てください。

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