「複数のローンで毎月の返済が厳しい。不動産担保ローンで1つにまとめたい。」
「不動産を担保にしたおまとめローン、どこがいいの?」
このように考えていませんか?
この記事では、不動産を担保にしたおまとめローンについて、プロが分かりやすくご案内します。
目次
不動産を担保にしたおまとめローンとは?

不動産担保ローンの会社(銀行やノンバンクなどの金融機関)が提供する複数の借入を一本化し、返済額や管理の負担を軽減できるローン商品のことです。
他のおまとめローンとの違い
各金融機関はおまとめローンを用意しており、金利や借入可能額、申込条件が異なります。
他のおまとめローンとの違いは次の通りです。
- おまとめローンの違い
種類 | 金利 | 借入可能額 | 主な申込条件 |
---|---|---|---|
不動産担保おまとめローン | 年1%〜15% | 数百万円~10億円 | 担保不動産の有無、年齢、安定収入、信用情報など、 |
銀行のおまとめローン(無担保) | 年3%〜15% | 10万円~1,000万円 | 年齢、安定収入、信用情報、借り換え・一本化限定など |
信販会社のおまとめローン(フリー・多目的) | 年4.5~18.0% | 10万円~500万円 | 年齢、安定収入、信用情報など |
消費者金融のおまとめローン | 年3%〜18% | 500万円~800万円 | 年齢、安定収入、信用情報、借り換え・一本化限定など |
申込条件は似ていますが、銀行は審査が厳しいです。
金利の低さや借入限度額の大きいことから、不動産担保型のおまとめローンを利用する方は多いです。
銀行とノンバンクの不動産担保おまとめローンの違い
不動産を担保にしたおまとめローンには、銀行のサービスとノンバンクのサービスがあります。
違いは次の通りです。
- 銀行とノンバンクの不動産担保おまとめローンの違い
項目 | 銀行 | ノンバンク |
---|---|---|
金利 | 低い | 銀行より高い |
審査 | 厳しい | 銀行より緩い |
融資限度額 | ~1億 | ~10億 |
審査のスピード | 1週間~ | 最短即日 |
手数料 | 無料~3%(2.2%が多い) | 無料~5% |
保証人の有無 | 必要な場合が多い | 不要の場合が多い |
ノンバンクは比較的審査に通りやすく、スピーディです。
銀行は金利や手数料が比較的低めです。
銀行やノンバンクによって項目の内容に違いがありますので、利用する場合はご確認ください。
不動産を担保にしたおまとめローンの5つのメリット
それぞれご案内します。
【メリット①】低金利で借り換えできる
不動産担保おまとめローンの金利は年1%〜15%程度です。
金利は金融機関によって異なりますが、ノンバンクより銀行の方が金利が低いです。
消費者金融系のカードローンの場合は3%〜18%程度です。
【メリット②】毎月の返済額や総返済額を減らせる
低金利の不動産担保おまとめローンに借り換えた結果、毎月の返済額や総返済額を大きく減らすことができます。
借り換えによっていくら減るかは、金融機関に相談したときに、シミュレーションをしてもらってください。
同じ借入額、返済期間でも、毎月の返済額や総返済額が減ります。
- 借入残高200万円、返済期間が10年の場合
ローンの種類 | 金利 | 毎月の返済額と返済総額 |
---|---|---|
カードローン | 年14% | 毎月の返済額 約3.1万円 返済総額 約373万円 |
不動産担保おまとめローン | 年3% | 毎月の返済額 約1.9万円 返済総額 約232万円 |
この場合、不動産担保おまとめローンの方が、毎月の返済額が約1.2万円、総返済額が約141万円少ないです。
【メリット③】管理しやすくなる
複数の借入先があると、その分、返済日・金額・金利を管理する手間が増えます。
インターネットで振り込んだり、自動引き落としにしたりしておけば手数料は無料ですが、ATMを利用すると、手数料が発生します。
借入先を1つにまとめることで、こうした手間や余計な費用が無くなります。
【メリット④】返済期間を延長できる
不動産担保ローンの返済期間はカードローンに比べると長いです。
- 不動産担保おまとめローン:1年~35年
- カードローン:5年程度(明確な返済期限はない)
不動産担保おまとめローンの返済期間は、調整することができます。
返済期間が長いと毎月の返済額が減りますが、トータルの返済額は増えます。
収入に応じて返済計画を組んでください。
【メリット⑤】借入れ上限額が大きい
担保とする不動産の価値に応じて、借入れ可能額は数百万円〜数億円まで変化します。
一方、消費者金融のおまとめローンの借入れ可能額は1万円〜800万円です。
不動産の担保価値によっては、不動産担保おまとめローンを利用しても、手元にいくらかの現金が残ることがあります。
不動産を担保にしたおまとめローンの4つのデメリット
詳しくご案内します。
【デメリット①】不動産を失うリスクがある
ローンの返済が滞った場合、担保物件を失います。
理由は、金融機関が競売手続きを経て現金化することで、ローン残債の返済に充てるためです。
特に、現在住んでいる家を担保にした場合は、住む家を失うリスクがあります。
これは銀行でもノンバンクでも同じです。
リスクを踏まえて、無理のない範囲で借りるようにしてください。
【デメリット②】総支払額が増える可能性がある
返済期間を延ばすと、利息が増え、総支払額が増えます。
- 総支払額が増える例
金利 | 返済期間 | 借入額 | 利息 | 総返済額 |
---|---|---|---|---|
年利3% | 10年 | 1,000万円 | 159万円 | 1,159万円 |
年利3% | 20年 | 1,000万円 | 332万円 | 1,332万円 |
同じ借入額、同じ金利でも、返済期間を20年にすると、総額が173万円増えます。
【デメリット③】諸費用がかかる
カードローンの場合、借入や返済時に手数料がかかることがありますが、1回あたり数百円程度です。
不動産を担保にしたおまとめローンでは、次のような諸費用がかかります。
- 諸費用の例
費用 | 内容 | 相場 |
---|---|---|
事務手数料 | 金融機関に支払う手数料 | 融資額の1%~5% |
保証料 | 借り手の返済を保証するための費用 | 融資額の0.5%~2% |
印紙税 | 契約書に貼る印紙にかかる税金 | 数百円~数万円 |
火災保険料 | 再度契約することがある | 年間1万円~3万円 |
鑑定費用 | 不動産の価値を鑑定する費用 | 5万円~15万円 |
登記費用 | 所有権や抵当権を登録 | 5万円~10万円 |
司法書士報酬 | 登記手続きに必要な費用 | 5万円~10万円 |
借入総額に応じた%、一律料金などのパターンがあります。
金融機関によって費用が異なりますので、事前に確認をしてください。
【デメリット④】審査が厳しく時間がかかる
カードローンの場合は即日利用できるサービスがありますが、不動産担保ローンの場合は最短でも融資に2日かかります。
次の内容を審査するためです。
- 担保不動産の評価
- 申込者の返済力(安定収入、信用情報など)
審査にかかる期間の目安は次の通りです。
- 銀行:数週間から1ヶ月以上
- ノンバンク:最短2日~1週間程度
ノンバンクでは不動産の価値を重視しており、審査に通りやすいです。
銀行ではどちらも慎重にチェックします。
ですので、一日でも早く借りたい場合はノンバンクをご検討ください。
ただし、ノンバンクは銀行に比べて金利が高いです。
不動産担保型のおまとめローンに対応している金融機関3社
ご案内します。
①丸の内AMS

丸の内AMSの対応エリアは、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県です。
対応エリアを限定しているため、審査は最短2日と非常にスピーディーです。
- 丸の内AMSのポイント
借入可能額 | 500万円〜最大5億円 |
---|---|
審査期間 | 最短2日 |
年齢制限 | 20歳以上 |
対応エリア | 東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県 |
金利 | 年3.8%〜 |
②AGビジネスサポート

AGビジネスサポートは、「アイフル」の関連会社で全国に対応しています。
融資対象者は、法人または個人事業主と限定的です。
- AGビジネスサポートのポイント
借入可能額 | 100万円〜最大5億円 |
---|---|
審査期間 | 最短3日 |
年齢制限 | なし |
対応エリア | 全国 |
金利 | 年2.49%〜8.99% |
③東京スター銀行

東京スター銀行は、個人を対象とし、全国に対応しています。
ただし、年齢制限があります。
- 東京スター銀行のポイント
借入可能額 | 100万円〜最大1億円 |
---|---|
審査期間 | 最短4日 |
年齢制限 | 申込時に満20歳以上69歳以下で、完済時に84歳以下 |
対応エリア | 全国 |
金利 | 年2.75%〜7.25% |
不動産担保ローン会社でおまとめローンを借りる5つの手順
詳しくご案内します。
【手順①】金融機関を選ぶ
金融機関によって借入条件が異なるため、次の項目を比較して選びます。
- 金利
- 借入限度額
- 審査基準
- 返済期間
- 審査期間
- 「おまとめ」への対応可否
ご案内したように、銀行は金利が低いですが、融資までに時間がかかります。
ノンバンクは金利が高いですが、比較的早く融資を受けられます。
あなたの状況に応じて、適した金融機関を選んでください。
【手順②】仮審査の申し込み
仮審査では、次の情報を伝えます。
- 希望する借入額
- 担保にする不動産の情報
- ローンの有無や金額
- 勤務先、年収
など
オンラインや電話で申し込みをしてから、当日~1週間程度で結果が通知されます。
期間は金融機関で異なります。
仮審査に通過すると、本審査に進むことができます。
【手順③】本審査の申し込み
本審査では、次のような詳細な書類の提出が求められます。
- 申込書・同意書
- 担保となる不動産関連の書類
- 本人確認書類
- 収入・納税を証明する書類
- 借入中のローンを示す書類
融資額と金利は、次の情報で決定まります。
- 不動産の評価額
- 信用情報
- 収入状況
銀行では数週間~1ヶ月程度かかります。
ノンバンクでは即日~数日で完了します。
【手順④】契約締結の手続き
本審査を通過した後、ご案内した必要書類を金融機関に提出し、契約手続きを行います。
契約内容には、融資額・金利・返済期間が明記されています。
後でトラブルにならないように細かくチェックしてください。
契約内容に納得すれば、署名・捺印を行い、契約が成立します。
【手順⑤】融資実行
契約が完了すると、新しい借入先から、これまで利用していたカードローン会社への振り込みが行われます。
その後、新しいローン(不動産担保おまとめローン)の返済がスタートします。
なお、融資実行後は、登記変更手続きが行われます。
- 新しい金融機関での抵当権設定
- 旧金融機関の抵当権抹消
- 法務局での登記申請
この手続きは、通常は金融機関が司法書士に依頼して行われます。
不動産を担保にしたおまとめローンまとめ
ノンバンクの不動産担保おまとめローンは、低金利でスピーディに利用できますが、不動産を失うなどのデメリットがあります。
利用を検討する際は、金利などの借入条件を比較してください。