ノンバンクの不動産担保ローンとは?銀行との違いやメリットを解説

投稿日:2024年6月12日

「ノンバンクの不動産担保ローンって銀行のと違うの?」
「ノンバンクを利用するメリットとデメリットを知りたい」

ノンバンク 不動産担保ローンって利用したこと無いと不安ですよね。

この記事ではノンバンクの不動産担保ローンの特徴やメリット、デメリットについてプロが分かりやすくご案内いたします。

この記事の作成者

融資部 部長
浜崎 雷Rai Hamazaki

【資格】管理業務主任者、宅地建物取引士
お客様の大切な所有不動産の評価を最大限に、ゆとりある生活のサポートをさせていただきます。「お客様の明日のために、今日、自分は何ができるか」を考え、日々奮闘しています。

「ノンバンク」とは?銀行と何が違うの?

ノンバンクとは銀行以外の金融機関です。

銀行と同様に、お金を貸し出す融資業務を行っていますが、運営形態やサービス内容には大きな違いがあります。

具体的には次のような会社のことです。

  • 信販会社(割賦販売法にもとづいて信用販売をしている会社)
  • クレジットカード会社
  • 消費者金融会社(個人に融資をする貸金会社)
  • 事業金融会社(経営者に事業用の資金を融資する会社)
  • 抵当証券会社(不動産を担保とした債権を証券化して販売する会社)
  • リース会社(企業に機械・設備・器具などを長期間レンタルする会社)

またノンバンクと銀行は基準となる法律が違うため審査や融資の条件が異なります。

具体的には次の通りです。

  • ・ノンバンクと銀行の不動産担保ローンの違い
 銀行 ノンバンク
主な事業 預金・融資・為替業務 融資業務
審査基準 厳しい傾向 柔軟な傾向
審査時間 遅い 早い
融資金額 金額が低い 金額が高い
金利 1%前後 2.5%前後

銀行の主な業務は預金・融資・為替業務で、ノンバンクの主な業務は融資業務です。

そのため、ノンバンクの方が融資に関するサービスが充実しています。

また、銀行には法律により厳しい規制が設けられており、融資の審査に時間がかかります。

ですがノンバンクは銀行ほど審査が厳しくないため、審査と融資がスピーディです。

ノンバンクの不動産担保ローンの金利と融資金額

ノンバンクの不動産担保ローンでは、金利が高く設定されています。

例えば、資金使途が限定されていない不動産担保ローンの場合、ある銀行では最低金利が1.0%前後ですが、あるノンバンクでは2.5%前後です。

その分、銀行よりも多額の融資を受けられます。

不動産担保ローンの最低融資額から融資限度額までの範囲は、各金融機関によって異なります。

融資の金額は、次の項目で決まります。

  • 担保となる不動産の評価
  • 担保掛目(たんぽかけめ)
  • 申込者の信用状況

担保掛目とは、担保不動産の評価額に対して金融機関が設定する割合のことで、この割合が大きいほど借りられる金額が大きくなります。

担保掛目は評価額の60%~80%程度に設定されていますが、一部のノンバンクでは80%を超えることがあります。

ノンバンクの不動産担保ローンを利用する5つのメリット

ノンバンクの不動産担保ローンを利用する5つのメリット
  1. 融資額が大きい
  2. 融資までの期間が短い
  3. 融資条件が厳しくない
  4. 審査手続きが難しくない
  5. 資金が自由に使える

ノンバンクを利用するメリットは5つあります。

詳しくご案内しますね。

メリット①:融資額が大きい

先ほどもご案内しましたが、ノンバンクの担保掛目(たんぽかけもく)は銀行よりも大きいため、融資額が大きいです。

担保科目の計算例(不動産評価額が5,000万円の場合)
  1. 5,000万円×担保掛目60%=3,000万円
  2. 5,000万円×担保掛目80%=4,000万円

この例のように、担保掛目の割合が違うだけで1,000万円以上評価額が変わってくることがあります。

大規模な事業資金や生活資金が必要な方には大きなメリットになりますよね。

メリット②:融資までの期間が短い

先ほどもご案内したように、審査から融資までの期間は、ノンバンクの方が銀行よりも短いです。

  • 銀行の目安…融資実行までの期間は2週間~1ヵ月程度
  • ノンバンクの目安…融資実行までの期間は最短数日から2週間程度

急に資金が必要になった方や短期間での返済を考えている方にとっては大きなメリットです。

メリット③:融資条件が厳しくない

銀行の不動産担保ローンでは、収入や信用情報が厳しく審査されます。

ですがノンバンクでは次のような方でも融資を受けられる場合があります。

  • 収入が不安定な方
  • 信用情報に問題がある方
  • 高齢者

また、担保となる不動産がいわゆる「既存不適格建築物(現在の法令に合わなくなった建物)」の場合、銀行では融資を受けられないことがあります。

既存不適格建築物(きそん ふてきかく けんちくぶつ)とは
    次のような建築当時は適法であったものの、法改正によって現在の法令には適合しなくなった建築物のこと。

  1. 借地権、底地権付き
  2. 間口が2m未満
  3. 建ぺい率、容積率がオーバーしている

ですが、一部のノンバンクでは、既存不適格建築物でも担保不動産として評価ができれば、審査に通ることがあります。

メリット④:審査手続きが難しくない

ノンバンクの場合、銀行に比べると、必要な書類が少ないです。

オンラインで手続きできる業者が多く、手間をかけずに審査に申し込むことができます。

一般的に必要な書類は次の通りです。

審査で必要になる書類の一例
  1. 住民票
  2. 印鑑登録証明書
  3. 実印
  4. 昨年度の源泉徴収票
  5. 確定申告書/決算書※個人事業主の場合
  6. 実印
  7. 不動産関係書類(謄本、公図、測量図)

市役所などで取得できるものが多いため、手間や時間をかけずに書類を用意できます。

メリット⑤:資金が自由に使える

一般的な銀行ローンでは、資金の使途を明示する必要があります。

ですが、ノンバンクではそのような制限がないため、自由に資金を使うことができます。

ノンバンクの不動産担保ローンを利用する4つのデメリット

不動産担保ローンを利用する4つのデメリット
  1. 金利が高い
  2. 融資額が総量規制の対象になる
  3. 違法な業者がいる
  4. 返済が滞ると不動産を失う可能性がある

ノンバンクの不動産担保ローンを利用するデメリットは4つあります。

詳しくご案内していきますね。

デメリット①:金利が高い

ノンバンクは銀行と比べてリスクを取りやすいため、リスクヘッジの手段として金利が高いです。

銀行だと最低金利が1%前後に対し、ノンバンクは2%前後です。

返済期間が長くなると、その分、返す金額が大きくなるため、「本当に返済できるのか?」を十分に検討する必要があります。

デメリット②:融資額が総量規制の対象になる

総量規制とは、借入者の年収の1/3(3分の1)を超える借入を禁止する賃金業法内の規制です。

例えば、あなたの年収が300万円の場合、1/3の100万円までしか融資を受けられません。

大きな額の融資を必要とする場合、ノンバンクの不動産担保ローンだけでは資金調達が難しい場合があります。

ただし、法人や個人事業主が利用できる「ビジネスローン」は対象外です。

デメリット③:違法な業者がいる

違法な業者とは、貸金業の登録がない業者のことです。

このような登録をしていない違法業者は、適切な業務運営を行っていないため、利用するとトラブルを招く可能性があります。

金融庁のHPでチェックできますので、(あれ、怪しい…?)と思ったら、登録貸金業者情報検索入力ページを利用してみてください。

デメリット④:返済が滞ると不動産を失う可能性がある

返済が滞ると担保となっている不動産を失う可能性があります。

そうならないためには、次のようにする必要があります。

  • 自身の収入と照らし合わせて、確実に返せる額を借りる
  • 返済計画を立てて実行する

ノンバンクの不動産担保ローンおすすめ3選

ノンバンクの不動産担保ローンおすすめ3選
  1. 丸の内AMS
  2. AGビジネスサポート
  3. セゾンファンデックス

ノンバンクの不動産担保ローンを実施している会社の中から、おすすめの3社をランキング形式でご案内します。

丸の内AMS

共有持分や底地、借地権の不動産担保ローンを得意とするノンバンクです。

一般的な不動産担保ローンへの対応もしています。

一都三県にエリアを限定しているため、現地調査がスムーズで、審査は最短2日とスピーディーです。

融資までは最短2日です。

2000年の創業以来培ってきたノウハウで独自審査をしており、評価額は高めです。

他の金融機関(銀行、ノンバンク)で断られた場合でも対応できることがあります。

金利は、年率3.8%~で、融資金額は、500万円〜最大5億円です。

AGビジネスサポート

2001年創業の個人事業主か法人向けノンバンクです。

審査はスピーディで、融資までは最短3日です。

不動産担保ローンのサービスは3つで、全て個人事業主か法人向けです。

金利は少し高めで2.49%~8.99%です。

セゾンファンデックス

東証自治部上場企業のSAISONグループの会社です。

不動産を担保にした融資サービスは4つあります。

借入金利は2.75%~4.55%前後と比較的低めです。

手続きが13時までに完全に終えられれば、15時までに振り込んでくれます。

ノンバンクの不動産担保ローンに関するFAQ

ノンバンクの不動産担保ローンについて、よくある質問とその回答です。

Q.個人向けの即日で絶対借りられる不動産担保ローンはありますか?

A.残念ながら、不動産担保ローンは、絶対に借りられるわけではありませんし、即日で借りられるわけではありません

ノンバンクの場合、担保となる不動産の審査は即日できる会社がありますが、融資までには最低でも2~3日かかります。

銀行とは審査基準が異なるとはいえ、ノンバンクだからといって、審査が甘いわけではありません。

融資を受けるには個人、法人問わず、不動産の価値や収入状況などが考慮され、それらが審査基準を満たす必要があります。

ですので「絶対」という保証はありません。

Q.不動産担保ローンの審査が通らない理由は何ですか?

次の4つの理由に該当する可能性があります。

審査が通らない4つの理由
  1. 不動産の担保価値が不十分だから
  2. 借り手の信用情報が不安だから
  3. 借り手の収入が不安定で収入証明が提出できないから
  4. 借り手の不動産が総量規制の対象だから

信用情報とは、過去の借入れ状況や返済状況などことです。

総量規制の対象であっても、例外・除外規定もあります。

金融機関によって審査基準が異なりますので、まずは一度ご相談ください。

Q.不動産担保ローンと無担保ローンの違いは何ですか?

A.借り手が金融機関に提供する担保の有無です。

不動産担保ローンは不動産を担保にして融資を受けるため、担保となる不動産の評価によって融資額が決まります。

無担保ローンは担保を必要とせず、借り手の信用情報に基づいて融資額が決定されます。

無担保ローンは、不動産担保ローンと比べると融資額が少なく、金利が高く設定されます。

Q.カーローンがあると不動産担保ローンは通りませんか?

いいえ、そんなことはありません。

ですが、返済比率(へんさいひりつ)を超えると通りません。

返済比率とは、借りる人の年収(年間所得額)と返済可能額との割合を示す指標です。

例えば、年収500万円の人の年間返済額が100万円の場合、年収の20%を占めているため返済比率は20%です。

あるノンバンクの返済比率の基準が30~40%以内の場合、150~200万円までなら審査が通る可能性が高いです。

カーローンや家のローンがあり、年間返済額がノンバンクの不動産担保ローンの返済比率の基準を超えると、不動産の担保金額よりも低い融資額となることがあります。

ノンバンクの不動産担保ローンのまとめ

ノンバンクの不動産担保ローンの特徴や金利などの条件、銀行との違いをご案内しました。

メリット、デメリットもご理解いただけたかと思います。

各ノンバンクの会社によって、得て不得手がありますので、利用する場合はしっかりと比較検討してから、ご利用ください。

より詳しい情報やご不明点については、ぜひ丸の内AMSにお気軽にお問い合わせください。

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