不動産担保ローンの評価額とは?計算方法や評価額以外の審査基準を解説

投稿日:2025年5月18日

「不動産担保ローンの評価額って何?」
「この不動産でいくら借りられる?」

このように考えていませんか?

この記事では、不動産担保ローンの評価額やその計算方法をプロが分かりやすくご案内いたします。

この記事の作成者

融資部 部長
浜崎 雷Rai Hamazaki

【資格】管理業務主任者、宅地建物取引士
お客様の大切な所有不動産の評価を最大限に、ゆとりある生活のサポートをさせていただきます。「お客様の明日のために、今日、自分は何ができるか」を考え、日々奮闘しています。

不動産担保ローンの評価額とは

不動産担保ローンの評価額とは、金融機関が不動産の担保価値を評価した金額のことです。

この評価額で、どれくらいの金額を融資できるかが決まります。

一般的に、評価額は以下の式で計算されます。

評価額の計算方法

評価額=不動産の評価額×担保掛目(たんぽかけめ)

不動産の評価額とは、不動産の価格や税金を計算する際に基準になる価格のことです。

担保掛目とは、金融機関が融資の際に貸し倒れリスクを最小限にするために設定する割合のことで、一般的に60%~80%で設定されます。

評価額の計算例
    不動産評価額は2,500万円で担保掛目が60%の場合
    評価額は1,500万円

不動産の評価方法や掛目は各金融機関が独自に定めており、公表していません。

そのため、同じ不動産でも金融機関で借りられる金額の上限は異なります。

借入金額の上限については、こちらの「不動産担保ローンはいくら借りられる?」で、ご案内しています。

この後は、不動産評価額の算出方法を、土地と建物に分けてご案内します。

不動産担保ローンの評価額の算出方法【土地の場合】

順番にご案内いたします。

【方法①】路線価

路線価とは国税庁が発表する相続税や贈与税の算定基準となる価格のことです。

路線価には相続税路線価と固定資産路線価の2種類があります。

不動産評価額の計算では、相続税路線価が使われることがあります。

路線価は国税庁の路線価図で確認できます。

路線価での計算方法

評価額=路線価×土地面積×画地補正率

画地補正率とは土地の形状によって路線価を補正する率のことです。

これは土地の奥行きが短い場合や土地の形がいびつな場合、その分評価額を下げる目的で用いられます。

奥行き・形状・傾斜などを考慮した補正が含まれます。

路線価の計算例

【条件①】地域の路線価が1㎡あたり10万円
【条件②】土地面積が100㎡
【条件③】画地補正率が0.97

10万円×100㎡×0.97=970万円
⇒評価額は970万円

参考)国税庁「路線価図の説明

【方法②】公示地価・基準地価

公示地価と基準地価は不動産取引や公共事業の基準となる土地価格のことです。

公示地価は「不動産情報ライブラリ」で確認できます。

公示地価での計算方法

評価額=公示地価(基準地価)×土地面積

公示地価での計算例

【条件①】地域の公示地価が1㎡あたり20万円
【条件②】土地面積が100㎡

20万円×100㎡=2,000万円
⇒評価額は2,000万円

【方法③】評価倍率

評価倍率とは路線価の定められていない土地の計算に用いる倍率のことです。

評価倍率は国税庁の評価倍率表で確認できます。

評価倍率での計算方法

評価額=固定資産評価額×評価倍率

評価倍率の計算例

【条件①】固定資産評価額が1,000万円
【条件②】地域の評価倍率が1.1倍

1,000万円×1.1=1,100万円
⇒評価額は1,100万円

参考)国税庁「評価倍率表

【方法④】実勢価格

実勢価格とは実際の市場で不動産が取引されている価格のことです。

実勢価格は、市場での取引のデータから判断され、公示地価や路線価が参考材料として用いられます。

【方法⑤】固定資産評価額

固定資産評価額とは固定資産税や都市計画税の課税基準となる価格のことです。

固定資産税評価額は、市区町村から送付される固定資産税の課税明細書や固定資産評価証明書で確認できます。

【方法⑥】積算法(土地+建物の合計)

積算法とは建物と土地を個別に評価して合計する方法のことです。

建物(原価法)と土地(路線価方式)の価格を合計して評価額を算出します。

積算法の計算方法

①建物評価額 = 再調達価格(1㎡あたり) × 総面積 × (残存耐用年数 ÷ 耐用年数)
②土地の評価額=路線価×土地面積
評価額=①+②

積算法の計算例

・建物の評価額が2,000万円
・土地の評価額が2,500万円

2,000万円+2,500万円=4,500万円
評価額は4,500万円

建物の価値は年を追うごとに下がります。

建物の算出方法についてはこの後ご案内いたします。

不動産担保ローンの評価額の算出方法【建物の場合】

それぞれご案内していきます。

【方法①】原価法

原価法とは、同じ建物を建て直した場合に必要な費用(再調達原価)を出し、そこから経年劣化分の価値を差し引いて評価額を算出する方法のことです。

原価法の計算式

①再調達原価=単価(円/㎡)×床面積
②減価率= 経過年数 ÷ 耐用年数
③評価額=再調達原価 ×(1 - 減価率)

原価法の計算例

【条件①】再調達原価が20万円/㎡
【条件②】総床面積が100㎡
【条件③】築年数15年
【条件④】耐用年数30年の場合

・再調達原価:20万円 × 100㎡ = 2,000万円
・減価率:15年 ÷ 30年 = 0.5

2,000万円 ×(1 − 0.5)= 1,000万円
評価額は1,000万円

【方法②】取引事例比較法

取引事例比較法とは、対象不動産に類似している物件の取引事例を参考にして評価額を算出する方法のことです。

取引事例は国土交通省「不動産価格情報の検索・ダウンロード」や不動産業者専用システムの「レインズ」で調べられます。

取引事例比較法の計算式

評価額 = 取引事例価格 × 事情補正 × 時点修正 × 地域要因補正 × 個別的要因補正

補正の例は次の通りです。

  • 補正の例
補正の種類
取引事例価格 近隣で半年前に販売された土地Bの価格が1㎡あたり10万円
事情補正 相場より3割高く売却された
時点修正 1年前から物価が10%値上がり
地域要因補正 駅までの距離が500mと近い
個別的要因補正 角地で10%評価が高い

【方法③】収益還元法

収益還元法とは不動産が将来生み出す利益を予測して、当該不動産の評価額を算出する方法のことです。

収益還元法は投資用不動産や賃貸物件の評価で使用されます。

収益還元法の計算方法

評価額=年間利益(収入ー経費)÷利回り

収益還元法の計算例

・年間家賃収入 2,000万円
・年間諸経費  1,000万円
・利回り    5%

(2,000万円-1,000万円)÷0.05=2億円
評価額は2億円

不動産担保ローンの評価額以外の審査基準

順番にご案内いたします。

【基準①】他のローンの残債

理由は、住宅ローンなどの他の借入がある場合、金融機関は評価額からその借入額を差し引くからです。

  • 不動産評価額が4,000万円
  • 担保掛目が65%
  • 住宅ローンの残債1,000万円

4000万円×65%-1,000万円=600万円

この場合は600万円が借入可能額です。

金融機関によって評価額も掛け目も異なりますので、実際の借入額は金融機関の審査を受けてください。

【基準②】信用情報

理由は銀行は信用情報に傷があると貸し倒れのリスクがあると判断するからです。

  • 過去に滞納歴がある
  • 債務整理したことがある

このような場合は審査が厳しいです。

【基準③】返済能力

理由は不動産の価値が下がった場合、金融機関が資金を回収できなくなるからです。

金融機関が確認する内容は次の通りです。

  • 返済能力の確認事項
属性 審査内容
個人 年収
職業
勤続年数
健康状態
法人・個人事業主 事業の安定性
決算内容
事業計画の妥当性

無職の場合や年金暮らしの場合は、審査が通りづらいです。

不動産担保ローンの評価額が低い不動産

  • 評価額が低い不動産の種類と例
種類
①利便性に欠ける ・交通の便が悪い
・商業施設や駅が遠い
②法的問題がある ・抵当権が設定されている
・建築制限がある
・他の権利が付与している
・共有持分がある
③土地の形状に問題がある ・傾斜地
・旗竿地(はたざおち)・・・入口の狭い土地
・不整形地(ふせいけいち)・・・正方形や長方形ではない土地
④建物の状態に問題がある ・築年数が古い
・耐震性が低い
・日当たりや風通しが悪い

法的問題がある他の権利とは借地権や地上権のことです。

所有権を制限する他の権利がある分、評価額が低いです。

形状に問題のある土地は、形状や間口・奥行きに応じた補正をします。

このような不動産の場合、大手の銀行では審査を断られることが多いです。

参考)国税庁「路線価方式による宅地の評価」、「不整形地の評価

担保の評価額が高い不動産担保ローン3社

ノンバンクは、銀行より不動産の評価額を高く見積もってくれることが多いです。

評価額が低い不動産にも対応していることが多いです。

ノンバンクの不動産担保ローン会社を3社ご案内いたします。

丸の内AMS

1都3県に対応しているノンバンクです。

「予想以上に不動産の価値を高く評価してもらえた」という利用者からの声が多数あります。

審査の柔軟性に定評があり、底地や共有持分への融資実績が豊富です。

  • 丸の内AMSのポイント
融資対象 個人・法人
融資額 500万円~5億円
審査期間 最短2日
最短融資日数 2営業日
金利 3.8%~(実質年利15%以下)
特殊物件への対応
2番抵当
審査の柔軟性 業歴が浅い・赤字決済に対応

SBIエステートファイナンス

不動産担保ローンを専門に扱うノンバンクです。

利用者の目的に合わせて独自審査基準の柔軟な与信や担保評価を行っています。

  • SBIエステートファイナンスのポイント
融資対象 個人・法人
融資額 300万円~10億円
審査期間 1~10営業日
最短融資日数 翌日
金利 3.7%~7.80%
特殊物件への対応
2番抵当
審査の柔軟性 業歴が浅い・赤字決済に対応

AGビジネスサポート

事業資金を専門に取り扱うノンバンクです。

全国の物件が対象です。

  • AGビジネスサポートのポイント
融資対象 法人・個人事業主
融資額 100万円~1億円
審査期間 即日~3日
最短融資日数 3日
金利 2.99~11.80%(実質年利15%以下)
特殊物件への対応
2番抵当
審査の柔軟性 業歴が浅い・赤字決済に対応

不動産担保ローンの評価額についてのまとめ

不動産担保ローンの目安の評価額は算出できます。

ですが、正確な数字は金融機関に依頼して、算出してもらってください。


浜崎
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