「ウチの状況に適した不動産事業用ローンを利用したい」
「不動産事業用ローン、どこで借りればいい?」
このように考えていませんか?
このページでは、不動産事業用ローンの種類について、分かりやすくご案内しています。
目次
不動産事業用ローンとは?

不動産事業用ローンとは、不動産事業を営む法人が、不動産の購入や開発、事業運営のために利用するローンのことです。
事業内容や資金の用途によって、利用されるローンの種類が異なります。
| 事業 | 主な資金使途 | 利用される主なローンの種類 |
|---|---|---|
| 不動産売買業 |
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| 不動産賃貸業 |
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| 不動産仲介業 |
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| 不動産開発業 |
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| 不動産管理業 |
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不動産事業用ローンの主な種類とそのメリット・デメリットを解説

- 不動産担保ローン
- つなぎ融資(ブリッジローン)
- プロパーローン
- プロジェクト融資
- アパートローン
- ビジネスローン
- 日本政策金融公庫の融資
- 信用保証協会「保証付融資」
不動産事業用ローンの主な種類、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
【種類①】不動産担保ローン
不動産担保ローンとは、次の不動産を担保に資金を借りるローンのことです。
例えば、評価額8,000万円の不動産がある場合、60~80%の4,800万円~6,400万円借りることができます。
担保にできる不動産は次の通りです。
- 既に所有している不動産
- これから取得する不動産
これから購入する予定の不動産を担保にすることもできます。
メリットは次の通りです。
- 低金利で借りられる
- 高額の借入ができる
- 返済期間を長期に設定できる
- 資金使途が自由なことが多い
- 審査に通過しやすい
資金使途が自由なことが多く、様々な不動産事業の融資に利用できます。
デメリットは次の通りです。
- 不動産を失うリスクがある
- 手数料がかかる
- 審査に時間がかかる
- 借入額が不動産の価値に左右される
ノンバンクの審査は即日~ですが、銀行の審査は数日~数週間かかります。
不動産の条件によって、借りられる金額が変わります。
【種類②】つなぎ融資(ブリッジローン)
つなぎ融資とは、入金が確定している資金を待つ間に、一時的に借り入れる短期ローンのことです。
例えば、確度の高い長期融資の審査中に、7,000万円の優良物件が見つかったため、つなぎ融資で仕入れた後、審査が終わった長期融資でつなぎ融資を一括返済するといった使い方をします。
メリットは次の通りです。
- 審査期間が短い
- 保証人不要の場合がある
デメリットは次の通りです。
- 金利が高い
- 手数料がかかる
- 返済困難になるリスクがある
- 資金使途が限定的
より詳しくはこちらの「ブリッジローンとは」でご確認いただけます。
【種類③】プロパーローン
プロパーローンとは、保証会社を介さず、銀行が独自の審査で直接融資を行うローンです。
銀行は、事業者の過去の取引実績や財務状況を慎重に審査し、金利や返済条件を個別に設定します。
例えば、3億円の賃貸マンション建設のため、付き合いのある銀行と交渉し、保証協会を介さずに2億5,000万円のプロパー融資を受けるといったことです。
メリットは次の通りです。
- 金利が低い
- 高額な融資を受けられる可能性がある
- 借入条件を個別に交渉できる
- 信用力向上に繋がる
デメリットは次の通りです。
- 審査が厳しい
- 企業の業績によって条件が異なる
- 担保が必要になる
- 保証人が必要な場合がある
【種類④】プロジェクト融資
プロジェクト融資とは、特定の開発事業やプロジェクトの収益性をもとに資金を調達するローンのことです。
企業の財務状況ではなく、大型商業施設やホテルの開発プロジェクト自体が将来的にどれだけ収益を生むかを評価されます。
メリットは次の通りです。
- 高額な融資を受けられる可能性がある
- 少ない自己資金でも利用できる
- プロジェクト単位で資金を調達できる
少ない自己資金でも利用できるとは、例えば、5,000万円の自己資金を持っている不動産事業者が、銀行から1億5,000万円のプロジェクト融資を受けるといったことです。
デメリットは次の通りです。
- 審査に時間がかかる
- 資金使途が限定される
- 返済困難になるリスクがある
- 金利が高い
【種類⑤】アパートローン
アパートローンとは、アパートやマンションなどの賃貸物件を購入する際に、その物件を担保にして借り入れるローンのことです。
安定した家賃収入が見込めると判断できるアパートを新築したり、購入したりする場合に利用されます。
メリットは次の通りです。
- 金利が低い
- 少ない自己資金でも利用できる
- 返済期間を長期に設定できる
例えば、不動産事業者が9戸の新築アパート建設のために、自己資金2,000万円で、銀行から1億3,000万円のアパートローンを組むといったことをします。
デメリットは次の通りです。
- 借入額が物件の価値に左右される
- 資金使途が限定される
- 空室リスクが直接的に返済困難に繋がる
【種類⑥】ビジネスローン
ビジネスローンとは、事業資金を短期間で調達するために利用されるローンのことです。
メリットは次の通りです。
- 審査期間が短い
- 無担保で借入できる
- 保証人を立てずに借入できる
- 自由に資金を使える
無担保・保証人なしで数百万円程度借りられます。
例えば、突発的な物件の修繕費用として300万円を確保するために使います。
デメリットは次の通りです。
- 金利が高い
- 融資可能額が低い
- 銀行の融資判断に悪影響を与えることがある
銀行の融資判断に悪影響を与えることがある理由は、「高金利の融資を受けなければいけないぐらい、資金繰りが厳しいのでは?」と見なされるためです。
明確な理由があったり、数十万円程度を借りて、数日~数週間以内に完済していたりするなら問題ありません。
【種類⑦】日本政策金融公庫の融資
日本政策金融公庫の融資とは、中小企業や個人事業主向けの公的融資制度のことです。
例えば、創業間もない企業が、事務所の開設費や運転資金を確保したい場合に利用されます。
メリットは次の通りです。
- 金利が低い
- 実績が浅くても利用できる
- 返済期間を長期に設定できる
- 無担保、保証人無しのローンがある
デメリットは次の通りです。
- 審査に時間がかかる
- 融資額が低い
- 資金使途が限定される
【種類⑧】信用保証協会「保証付融資」
信用保証協会「保証付融資」とは、中小企業や個人事業主が銀行などから融資を受ける際に、信用保証協会が保証を行う融資のことです。
融資を受けた後返済が困難になった場合、事業者の代わりに信用保証協会が立て替えて返済を行います。
メリットは次の通りです。
- 金利が低い
- 実績が浅くても利用できる
- 返済期間を長期に設定できる
- 無担保の制度がある
- 代表者以外の連帯保証人は不要
例えば、創業2年目の不動産事業者が、賃貸物件のリフォーム資金として1,500万円の融資を、地元信用金庫から信用保証協会の保証を付けて受けるといったことです。
デメリットは次の通りです。
- 保証料がかかる
- 審査に時間がかかる
- 融資限度額が設けられている
銀行・ノンバンク・公庫別の不動産事業用ローンの違い

不動産事業用ローンに対応している金融機関は次の通りです。
- 銀行(大手、地方、信用組合、信用金庫)
- 日本政策金融公庫
- ノンバンク
それぞれのメリット・デメリットをご案内します。
銀行(大手、地方、信用組合、信用金庫)のメリット、デメリット
銀行の不動産事業用ローンのメリットは次の通りです。
- 金利が低い
- 高額な借入ができる
- 返済期間を長期に設定できる
- 信用力の向上に繋がる
銀行との取引が信用力UPになる理由は、銀行の審査が厳しいからです。
新規借入や追加融資の審査が通りやすくなったり、条件の良い融資を受けられるようになったりします。
デメリットは次の通りです。
- 審査が厳しく、時間がかかる
- 担保や保証人を求められる
- 実績がないと借入が困難
- 景気や銀行の方針に左右される
審査期間が長いので、決済期間が短い融資には間に合わないこともあります。
ノンバンクのメリット、デメリット
ノンバンクとは、主に融資業務を行っている銀行ではない金融業者のことです。
ノンバンクの不動産事業用ローンのメリットは次の通りです。
- 審査期間が短い
- 審査に通過しやすい
- 実績が浅くても利用できる
- 資金使途が自由
不動産担保ローンを利用する場合は、最短即日で審査が完了することがあります。
「銀行に断られた」という場合でも、審査に対応してくれるところが多いです。
デメリットは次の通りです。
- 金利が高い
- 返済期間が短い場合がある
- 融資可能額が低い
- 将来の銀行の融資判断にマイナスになる能性がある
ノンバンクからの借入があると、銀行で融資の面談をする際、次のように勘繰られることがあります。
- 決算書からは読み取れない経営上の問題があるのでは?
- 今も資金繰りが厳しいままなのでは?
- 無理な計画を立てているのでは?
理由をしっかりと説明してください。
例えば、「決済のスピードが重要だったために利用した」といったことです。
公庫(日本政策金融公庫)のメリット、デメリット
日本政策金融公庫の不動産事業用ローンのメリットは次の通りです。
- 金利が低い
- 実績が浅くても利用できる融資がある
- 長期返済OK(15~20年)
デメリットは次の通りです。
- 審査に時間がかかる(1~2ヶ月程度)
- 融資限度額が低い(最大数千万円)
- 資金使途が限定される
- 担保・保証人が必要なケースが多い
- 不動産投資への融資は受けられない場合が多い
不動産投資については、これからスタートの場合、NGとされるケースが多いです。
物件購入ではなく、リフォームや運転資金などに利用することをご検討ください。
不動産事業用ローンの審査を通過するための8つのポイント
それぞれ詳しくご案内します。
【ポイント①】会社の財務を健全な状態にする
財務の健全な状態とは、借入金を無理なく返済できるだけの資金的体力がある状態のことです。
例えば、毎月の売上が安定しており、営業利益が黒字で維持している状態です。
審査に通りやすくなる理由は、返済原資があると判断されるからです。
主な対策は次の通りです。
- 継続的な黒字経営を維持する
- 営業によるキャッシュフローをプラスの状態で維持する
- 自己資本比率を高める
- 債務償還年数を短くする
- 流動比率を高める
【ポイント②】事業の実績を明示する
実績とは過去の不動産取引や所有物件、施工事例、事業年数、売上・利益の推移などのことです。
例えば、事業年数が10年以上も長く安定しているなら高い評価を受けます
審査に通りやすくなる理由は、将来的に安定して返済できる見込みが高いと判断されるからです。
【ポイント③】具体的な事業計画を作成する
事業計画とは、事業の目的や収益見込みなどを具体的な数字と根拠で示した計画書のことです。
事業計画が必要な理由は、融資の使い道と返済方法を明確にするためです。
これから作成する場合は、税理士や商工会議所などに相談してみてください。
【ポイント④】自己資金の割合を高くする
自己資金の割合とは、事業資金に対して、自社の資金でまかなう比率のことです。
一般的に、物件価格の2〜3割以上の自己資金なら問題ありません。
例えば、物件価格5,000万円なら1,000万円~1,500万円ということです。
これを高くする理由は、自己資金を投入する分借入額が減り、金融機関の貸し倒れリスクが低くなるからです。
また、自己資金を多く投入することで、経営者の事業への責任感が伝わり、信用度が高まります。
【ポイント⑤】担保不動産を準備する
担保不動産が必要な理由は、金融機関のリスクが減るからです。
返済が滞った場合、金融機関は担保不動産を売却することで、貸付金を回収します。
借りられる金額は、担保にする不動産の評価額の60%~80%です。
例えば、評価額が5,000万円なら3,000万円~4,000万円の融資を受けられるということです。
【ポイント⑥】代表者の信用情報を良好な状態にする
代表者の信用情報とは、代表者個人の金融取引履歴のことです。
具体的には次の内容を見られます。
- クレジットカードの利用状況
- 消費者金融からの借入
- 住宅ローンの延滞
- 債務整理の履歴
問題が無いと審査に通りやすくなります。
その理由は、代表者に返済義務を履行する能力と信頼性があると判断されるからです。
法人で不動産事業用ローンを借入する際、代表者が個人保証人となるケースがあります。
この場合、会社が返済できなくなったら、代表者個人がその債務を引き継いで返済する責任を負います。
【ポイント⑦】金融機関の担当者と良好な関係を構築する
良好な関係とは、金融機関の担当者が安心して融資を進められると判断できる関係のことです。
そのためには、期限内に正確な書類を提供したり、物件の詳細な資料を用意したり、事業の進捗をこまめに報告したりするなど、丁寧で誠実な対応を積み重ねる必要があります。
担当者に事業内容や返済計画を正確に理解してもらうことで信頼が高まり、審査を前向きに進めてもらいやすくなります。
【ポイント⑧】金融機関別に資料を用意する
金融機関によって、審査基準や重視するポイントが異なります。
それぞれに合わせた的確な資料を用意することで、評価されやすくなります。
共通する主な資料は次の通りです。
- 商業登記簿謄本
- 決算書類
- 納税証明書
- 事業計画書
- 代表者の身分証明書
- 印鑑証明書
不動産事業用ローンの申込手順と必要書類
不動産事業用ローンの申込手順は、次の通りです。
- 仮申込み
- 仮審査の結果通知
- 本申込み
- 本審査の結果通知
- 契約
- 借入
金融機関によって多少異なりますが、大まかな手順は同じです。
銀行や公庫の審査機関は長いので、決済が短期間の場合は、ノンバンクをご検討ください。
不動産事業用ローンの必要書類は、次の通りです。
- 法人情報
- 財務資料
- 担保関連資料
- 代表者情報
こちらも金融機関によって多少異なります。
大きな金額を借り入れる場合は、準備する書類が多いですし、内容の正確性、実現性が評価されます。
担当者のリクエストには丁寧に対応してください。
まとめ
不動産事業用ローンの利用できるローンの種類やそのメリット、デメリットをご案内しました。
状況に応じた最適な融資を利用するために、参考になさってください。


不動産担保ローン











