バックファイナンスの意味とは?事例やメリット・デメリットを解説

投稿日:2025年7月4日

「バックファイナンスって、当社でも利用できる?」
「メリットとデメリットを知って、融資を受けたい」

このように考えていませんか?

このページでは、バックファイナンスについて、プロが詳しくご案内します。

この記事の作成者

融資部 部長
浜崎 Hamazaki

【資格】管理業務主任者、宅地建物取引士
お客様の大切な所有不動産の評価を最大限に、ゆとりある生活のサポートをさせていただきます。「お客様の明日のために、今日、自分は何ができるか」を考え、日々奮闘しています。

バックファイナンスとは?意味を分かりやすく解説

バックファイナンスには、3つの意味があります。

ですが、ここでは資金を調達する方法の1つとしてご案内します。

その他の意味についてはこちらをご覧ください。

一般的なバックファイナンスの意味

バックファイナンスとは、担保となる資産を自己資金で購入し、その資産を担保にしてお金を借りるという資金調達の方法のことです。

利用する方法は2つあります。

①付き合いのある金融機関に相談する
②対応している金融機関を探して相談する

他の資金調達方法との違い

ご存知のことかもしれませんが、資金調達の方法はいくつもあります。

違いは次の通りです。

  • 他の資金調達方法との違い
項目 バックファイナンス 通常の不動産担保ローン ファクタリング アセットファイナンス(ABLなど) 手形割引 ビジネスローン
特徴 資産購入後の融資 資産購入前の融資 売掛債権の売却 動産・債権担保融資 手形の現金化 無担保融資
担保 購入済み資産 所有している資産、購入の予定資産 なし 在庫・設備など 手形 なし
スピード 早い 普通 早い 普通 早い 早い
金利 低め 低め なし(手数料) やや高め 割引料 高め

金利が低めなのは、担保があるため、金融機関の貸し倒れリスクが低いからです。

これまでバックファイナンスを利用してこなかったなら、この機会にしっかりと理解して、手段の1つに加えてください。

バックファイナンスがよく活用される業界と担保の種類

  • どの業界で利用されているのか
  • 担保にできる資産にはどのような物があるのか

それぞれご案内します。

活用されているのは不動産業

不動産業では、よく活用されています。

※不動産を自己資金で購入し、その不動産を担保にして、金融機関から融資を受ける

その理由は3つあります。

不動産業で活用される3つの理由
  1. 不動産は価値を算出しやすいから
  2. 大きな金額を借りられるから
  3. 物件の仕入れスピードが重要だから

不動産の価値を算出する方法は確立されており、評価は即日~でできます。

不動産を担保にすると、数百万円~数億円と、大きな金額を借りることができます。

不動産業界の競争は激しく、通常の融資では有益な不動産を獲得できないことが多々あります。

「何としても獲得したい!」という物件がある場合に利用されます。

不動産以外の担保となる資産の種類

基本的に、価値を算出できるものなら、担保にできる可能性があります。

具体的には次の通りです。

不動産以外の担保例
  1. 株式、債券、預金
  2. 売掛債権、在庫(原材料、製品など)、機械設備、車両
  3. 特許、商標、著作権、ライセンス料など
  4. 事業収益、キャッシュフロー

そのため、製造業、小売業、IT業界でも活用されています。

対応している金融機関は探せばあります。

利用を検討されている方は、まずは一度、お付き合いのあるところに、相談してみてください。

バックファイナンスの事例

不動産業とそれ以外の業界の事例をご案内します。

不動産業の事例

不動産業のバックファイナンスの事例をご案内します。

【事例①】事業用不動産の買収

A社がB社の事業用不動産を買収しようとしている。

A社は自己資金とつなぎ融資を利用して、その不動産を購入した。

その後、その不動産を担保に金融機関から融資を受けて、自己資金を回収し、つなぎ融資を返済した。

【事例②】中古マンションのリフォーム転売

C社は、条件の良い中古マンション(約2,500万円)の情報を得た。

融資を受けている間に、他社に取られないよう、自己資金で中古マンションを仕入れ、リフォームを約300万円で行った。

C社は当面の運転資金の確保のために、この物件を担保に1,500万円の融資を受けた。

その後、3,800万円で売却した。

【事例③】土地の先行取得

D社は、アパートを建てるための条件が揃った土地(約6,000万円)を見つけた。

融資審査を待っていては買い逃すリスクがあるため、自己資金で一旦購入した。

その不動産を担保に4,200万円の融資を受け、自己資金と運転資金にあてた。

その後、アパートを建て、1億1,000万円で売却した。

この他、数億円規模の再開発プロジェクトなどでも活用されることがあります。

不動産以外での活用事例

先にご案内した通り、不動産以外の資産も担保にできます。

事例をご案内します。

【事例事例①】製造業の事例

製造業E社は、新規にCNC旋盤(約1,500万円)を導入したいと考えている。

手元の自己資金で一括購入すると、会社の運営が厳しくなる。

「購入したCNC旋盤を担保にできないか」と付き合いのある金融機関に相談したところ、F金融機関を紹介された。

条件を確認後、E社は機械を納入し、その機械を担保にF金融機関から、約1,000万円の融資を受けた。

事例②製薬業界の事例

製薬会社のG社が、M&A対象の知的財産権約3億円を、自己資金で取得した。

その知財を担保に、H地方銀行から運転資金として約2億円の融資を受けた。

バックファイナンスに対応可能かどうか、お付き合いのある金融機関に相談してみてください。

バックファイナンスのメリット・デメリット

メリットとデメリットをご案内します。

メリット

2つのメリット
  1. スピーディに投資できる
  2. 手元資金を確保できる

例えば、不動産業界なら、条件の良い物件を融資の審査を待たずに購入できます。

不動産業界は競争が激化していますので、スピーディに動かなければ、物件の仕入れが難しいです。

購入した不動産を担保にしてお金を借りて、当面の運転資金を賄えば、一定の手元資金を確保できます。

デメリット

3つのデメリット
  1. 相応の自己資金が必要
  2. 想定の評価を下回る場合がある
  3. 対応していない金融機関がある

不動産などが、自己資金を上回っている場合は、利用できません

相応の自己資金を常に準備しておく必要があります。

また、自社で調査した結果、「これぐらいの価値がある」と判断していたとしても、実際に金融機関に査定してもらったら、下回っていることがあります。

そうした事態に事前にすり合わせができる金融機関かどうか、確認しておいてください。

それから、そもそも対応していない金融機関があります

これまで取引のある金融機関が対応していないなら、いざという時のために、別の金融機関を開拓しておいてください。

バックファイナンスに対応している金融機関の選び方

  • 金融機関ごとのバックファイナンスへの対応
金融機関の種類 対応について
メガバンク 地域・支店・担当者の裁量で断られることがあるので、要確認
地方銀行 同上
信用組合、信用金庫 同上
日本政策金融公庫 NG
ノンバンク 不動産担保ローンの専門会社のほとんどは対応している

メガバンクや地方銀行、信組・信金は、これまでに関係性を構築している場合は、応じてくれることがあります。

応じてくれたとしても、審査は通常通り、しっかりと行われます。

ただし、担当者ベースでOKでも、稟議でNGになることがあります。

ノンバンクの中でも、不動産担保ローンの専門会社なら、その多くが対応しています。

ノンバンクの不動産担保ローン会社は、銀行に比べると、次の面でメリットがあります。

ノンバンクのメリット
  1. 審査がスピーディ
  2. 中には担保不動産を高く評価をしてくれる会社がある
  3. 業績を問わずに審査対応している会社がある

不動産担保ローンの融資金額の相場は、不動産評価額の60%~70%です。

一都三県など、エリアを絞っているところは、不動産を高く評価してくれることがあります。

銀行よりも審査が柔軟ですが、金利は高めです。

バックファイナンスの申込み手順と必要な書類

申込み手順
  1. 相談、仮申込み
  2. 事前審査
  3. 融資の申し込み
  4. 本審査
  5. 契約手続き
  6. 融資実行

これまでに不動産担保ローンを利用したことがある場合は、その流れと同じです。

仮申込み時に費用な情報(資産の情報など)を提示し、仮審査(事前審査)を受けます。

仮審査に通ったら、本審査のために必要書類を提出します。

審査のポイントは、通常の融資と同じです。

審査のポイント
  1. 事業計画の妥当性
  2. 担保となる資産の評価
  3. 経営者の信用情報

必要な書類も、通常の融資と同じです。

必要書類
  1. 事業計画書
  2. 決算書(直近3期分)
  3. 資産関連資料(登記簿謄本、鑑定評価書、設備仕様書など)
  4. その他(印鑑証明書、住民票、納税証明書など)

融資条件に合意し、契約書を締結したら、融資が実行されます。

バックファイナンスに対応している金融機関5社

バックファイナンスに柔軟に応じているのは、ノンバンクです。

ここからは、5社についてご案内していきます。

丸の内AMS

丸の内AMSは、不動産担保ローンの専門会社です。

一都三県の不動産を最大限に評価しています。

審査の柔軟性が高く、銀行に断られた企業や前期が赤字でも審査対応しています。

  • 丸の内AMSのポイント
対応エリア 一都三県
対象者 法人・個人事業
融資限度額 5億円
審査のスピード 即日~
金利 3.8%~

セゾンファンデックス株式会社

クレディセゾングループの法人・個人事業主向けの不動産担保ローンの会社です。

法人融資の場合、代表者の連帯保証が原則必要です。

対応エリア 一都三県
対象者 法人・個人事業
融資限度額 5億円
審査のスピード 即日~
金利 3%~

L&Fアセットファイナンス

旧「三井住友トラスト・ローン&ファイナンス株式会社」です。

三井住友トラスト・ホールディングスグループで、不動産担保ローンを専門としています。

対応エリア 全国対応
対象者 法人、個人
融資限度額 10憶
審査のスピード 2日~
金利 3%~

株式会社アビック

1969年創業の不動産担保ローンの専門会社です。

会社は港区赤坂にあります。

抵当権2番、3番順位でも対応しています。

対応エリア 全国
対象者 法人、個人
融資限度額 50億
審査のスピード 即日~
金利 約3%~

株式会社アサックス

1969年創業の不動産担保ローン専業の会社です。

東証に上場しています。

底地、借地権付建物、共有持分にも対応しています。

対応エリア 全国
対象者 法人、個人
融資限度額 10憶
審査のスピード 即日~
金利 約2%~

バックファイナンスの「禁止」「規制」とは?

次のような行為もバックファイナンスと呼ばれます。

①企業が自社株を買い戻す際に、その資金を子会社などに直接的・間接的に提供する
②金融機関が引受けた新規発行証券を顧客が購入する際に、その資金を融資する

①は、株主保護を目的のために、日本の会社法で禁止されています。

違反した場合、取引の無効、役員の損害賠償責任などのペナルティが課される可能性があります。

②は、投資者保護と市場の公正性確保のために、金融商品取引法で禁止されています。

こちらもペナルティが課される可能性があります。

気になる方は、弁護士にご確認ください。

バックファイナンスのまとめ

バックファイナンスは、資金調達の1つの方法です。

会社の状況や担保不動産に応じて、金融機関をお選びください。

丸の内AMSへお気軽にお電話くださいませ

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